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「焔!」
村の入り口近くに数本の苦無で炎を呼び起す。
モンスターは入ってこれないし、モフモフ族のみんなも出てこない。
そうしてジェイは、先に出て行ってしまったピッポを追いかけた。
ワルターがこちらを向き、驚いた顔をしていたのは見えたが、それからホパフライの群に襲われ姿が見えない。
ピッポは一生懸命体当たりをしてピヨピヨを追い払おうとしている。
「ピッポ!」
「ジェイ!あの人ピッポを助けてくれたキュ!」
「えっ?」
水の民は陸の民を憎む。
今はもう常識とまでとられたその了見を覆すような言葉だ。
特に最近得た情報では、彼が極度の陸の民嫌いだと知っていた。
人とは違うからだろうか。
ジェイが本当に思案顔で考え始める間もなく、モンスターに囲まれる。
ピッポを抱えてその場から高く飛んだ。
「ピッポは戻って!」
「でもあの人」
「僕が助けるから!」
氷樹を起こし、さらにそれを土台に入り口近くで着地し、上の炎の届かない隙間からピッポを放る。
ワルターの姿はまだ見えない。
地上近くで鱗粉を撒きながら集まっているホパフライに苦無を投げつけると数匹が飛び上がり
青い衣がぼろぼろになっているのが見えた。
「っ!」
ホパフライがいなくても、まだモンスターが残っている。
タコエッグが陣取る前方はまだしも、ドダイガメが先ほどからこちらを警戒している。
動きの遅い奴らを後回しにし、今はワルターを助けなければ。
ジェイは少しだけ迷い、消費の高い我流奥義の構えを取った。
「跳蟲…」
はぁっと息を吸い、力を溜めるイメージを膨らませる。
手にある一本の苦無が輝き始め、モンスターも警戒に足を止める。
空気がジェイに集まるように巻き始め、ホパフライの集まる一点に集中し、ぐっと構えを低くした。
「噴殺劇っ!」
バッと腕を振り鋭く苦無を投げる。
光のすじが後を引きながら目的の地面に刺さり、カッと周囲からも光が沸く。
ホパフライたちがそれに気付くより早く煙のような光線に包まれ見えなくなる。
ジェイが放ったままの腕を上に高く振り上げたと同時に吹き続ける光が目を焼きそうなくらい強まり
誰も動けない空間が煙とともに発生した。
しばらくの白煙が収まりモンスターたちが動き始めたころには、
ワルターが地面に伏したまま、辺りには残り香のような粉と、千切れた羽が舞った。
2006.1.25
書きたかった場所なのにうまく書けない…