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「どうしたのっ!?」
工房から駆け出て、一番近いところにいたピッポに叫ぶ。
何匹かが裏の出入り口で騒いでいた。
手には苦無を、用心に爪を光らせ皆を集めるように指示する。
橋を付けたその道を一歩で飛び外が見える位置へ。
「ジェイ!大変だキュ!」
「モンスターがすぐ傍まで来てるキュ!」
「誰か襲われてるキュ!」
村内でも若い、青年代の3匹が固まるようにして外を見ている。
それに混じって外の光に目をならすと、黒い影が見えた。
「…!あの人は」
普通、村までモンスターは来ない。
それはジェイが普段からトラップを仕掛け相手に警告しているから。
人間に無闇に近づくのを好むものはいないらしく、互いが互いの領域を侵さずきていた。
きっとあの青年が、無理に彼らの地に入ったのだろう。
そして警告を受けている。
「ワルター・デルクェス」
背中に黒い翼を生やした水の民の青年が浮いた状態で戦闘をしていた。
「くそっ!どけぇっ!!」
なんということか。
ただ自分は、任務のためにこの平原を抜けようとしただけなのに。
あの陸の民に目的の人物の居場所を聞いて、一番近いダクトを通じてここまで来た。
以前もメルネス救出のために訪れた毛細水道から。
本来歩いてくれば数日だが、幸いこの翼で一日もかからない。
午後までかかってあと少しだというところで、本当に期が悪かった。
仕方なしにこうして相手をしているが、どうしてか数が減らない。
手強い、というほど強くはないものの、数の多さで先ほどからかすり傷が絶えない。
傷は多くなれば個々が軽くても危うい、というのはわかっているつもりだ。
だが逃走にもこの平野地帯では丸見えだし、飛行型の魔物が辺りを囲っている。
舌打ちしても、苛立ちは募る一方で。
「キュキュ〜!」
不意に聞こえたその声で、注意を逸らされた。
2006.1.24
一日一個。が目安なのか。