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「ワルター、頼んだぞ」
「………」

わからないこともない、それは承知していることだ。
だが、何故こんな時に、俺が。





通称、マウリッツの庵と呼ばれているごく狭い水の民の駐留地。
先の作戦の失敗でここに留まっていたワルターは、部下が怪我を治す間、別の任務が言い渡された。
失態はセネルたちが補っている、そこに憎しみがあるのは確かだが今はそうも言ってはいられない。
敵と同属である陸の民と手を組んでまでも早急に実行されなくてはならないのだ。

メルネスを取り戻すため、それだけのために自分は動く。
達成のためならどんなことだろうがやってみせる。
そう誓い、親衛隊長であり続ける彼は何も出来ない日々にイラつきを隠さず、
それを見ていた長、マウリッツはこうして赴き命を下した。

『灯台の街から作戦参謀の護衛をしろ』

向こうの何処だかの国が推しているという、今回の作戦の重要人物を護衛、ここに連れて来る。
とても大事な人物だからくれぐれも慎重に、怪我を負わせず、且つ迅速に。
そんなことを言われても、ワルターには陸の民などどうでもいい、むしろ憎いまでの思考が任務を阻みそうだ。
だが拒否は出来ない。
これはメルネス救出に欠かせないことだから。





そういう訳でワルターは、陸の民の格好をし、ウェルテスの橋を渡った。












2006.1.15
はは、マジで即席。
何てったって模試の問題用紙だもの。